富士通Photo:NurPhoto/gettyimages

今回は、業績好調のITベンダー大手、富士通、野村総研、IIJ3社の決算書から各社の戦略の違いを前後編にわたって読み解いていく。前編では、各社の決算書の特徴を解説するとともに、富士通が2022年3月に3000人超の大規模リストラに踏み切った背景について見ていこう。(中京大学国際学部・同大学院経営学研究科教授 矢部謙介)

DXで最高益更新のITベンダー
好調とリストラの理由を決算書から読み解く

 DX(デジタルトランスフォーメーション)に対する企業の積極的な投資を追い風に受け、ITベンダーの業績が好調だ。

 例えば、富士通では、2023年3月期の営業利益が約3360億円、最終利益は約2150億円となり、過去最高益を記録した。野村総合研究所(以下、野村総研)は同じく23年3月期の営業利益が約1120億円、最終利益は約760億円で2期連続の最高益更新、インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)も営業利益が約270億円、最終利益は約190億円となり、3期連続で最高益を更新した。

 以上のように、ITベンダー3社の業績は好調だが、その理由は三者三様だ。また、業績好調なITベンダーの中にあって、富士通は22年3月に早期退職で3000人超の大規模リストラに踏み切った。その理由とは何だったのだろうか。

 そこで今回は、各社の業績が好調な理由と富士通がリストラに踏み切った理由について、決算書とITベンダーにおけるKPI(重要業績指標)の一つである「従業員1人当たり指標」を使いながら探っていくことにしよう。