もう逃げられない!日本人と日本企業が2024年に直面する5つの「ヤバい大問題」写真はイメージです Photo:PIXTA

新年が始まった。世の中の変化は目まぐるしく、さまざまな難題も解決の見込みがないまま山積している。年頭所感ではないが、日本企業を取り巻く環境、直面しそうな問題などについて、少し見通しを整理してみたい。(プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役 秋山 進、構成/ライター 奥田由意)

問題1:人手不足が引き起こす産業の新陳代謝

 日本の多くの産業で、人手不足の問題が深刻化している。高齢化社会の影響、若者の職業選択の偏向、パンデミックが引き起こした急激な変化、そして「2024年問題」と言われる労働時間の上限規制など法制度の変化により、あらゆる業種の企業が従業員の不足に直面している。

 人手不足であるが故に操業できない、または事業継続を断念するというのもごく普通のことになりつつある。このような状況下にあっては、省力化を目的としたデジタル化推進はもはや選択肢ではなく必須となってきている。

 本来、デジタル化とは、単にオンラインでの業務遂行や電子化されたデータの利用にとどまらず、ビジネスプロセスの根本的な見直しを含んでおり、これには、人工知能や機械学習のような最新技術の活用も含まれる。ただ、そこまで行く前に、各種の自動化やキャッシュレス化など単純作業の省力化に取り組んでいない企業にはすでに人が集まらない状況になっている。

 たとえば飲食チェーンなどでも、タブレット型のタッチパネルで注文する店が増えている。場合によっては、店内のモニターに調理が完了したものから番号が表示され、それを見て自ら料理を取りに行き、決済はQRコードでキャッシュレスで済ませ、下膳も自分でするといった店もある。

 デジタル化は、今日のビジネス環境において避けられないトレンドである。人手不足に直面している企業にとって、デジタル技術の活用は生き残りを懸けた必要不可欠な戦略となっており、これに対応できない企業は一気に衰退する。その一方で、最新のデジタル技術を駆使した企業は一気に成長するだろう。このような変化があらゆる産業で進み、プレーヤーの新陳代謝が一気に進む可能性が高い。