親の口癖が作り出す
お金の価値観とマネー習慣
それでは、親のどんな口癖が、どのようなお金の価値観やマネー習慣を作っていくのか、具体例を見ていきましょう。
(1)お金はネガティブなもの
・うちはお金がないのよ
・お金があると不幸になるのよ
・お金、お金って恥ずかしいわ
無意識につぶやいてしまいそうな口癖ですよね。
「お金がない」という口癖は、実際に家計の状況が苦しい時に、思わず言ってしまうでしょう。
一方、実際にはそれほど経済的に困っていなくても、言ってしまう場合があります。
それは、「過去に経済的に困窮した経験」がある場合です。
このような口癖を聞いて育った子どもは、「私はお金に縁がない」という価値観を作り上げ、毎日ケチケチとした生活を送る可能性があります。
逆に「お金があると不幸になる」という口癖の親もいます。
たとえば、幼少期に両親が金銭感覚の違いで仲が悪くなり、離婚したといった経験がある人は、そのような思い込みを持っていることがあります。
また、このような口癖を聞かされて育った子どもは、「お金は不幸のもと」「お金は諸悪の根源」といったお金の価値観が形作られ、お金を持つと苦しい感情がわき起こることでしょう。
その結果、お金から目を背けて、金銭管理をしたがらないかもしれません。
さらに、「お金はよくないものと言われて育った親」の子どももまた、 お金に対してネガティブなイメージを持ちやすくなります。
お金は、生きていくうえで必要不可欠なものです。
だからこそ、幼い頃に触れた親の口癖(=価値観)は、その人のお金の価値観形成に大きな影響を及ぼします。
(2)投資は危ないもの
・投資は危ないからダメ
・投資はギャンブル、貯金が一番
私の個別相談に来られた方の中にも、身内が投資に失敗して大きな損失を被ったため、「投資はギャンブル。やってはいけない」と言われて育った方が複数いました。
このような環境で育った子どもは、「悪銭身につかず」「働かざる者食うべからず」といった価値観を作り上げ、絶対に投資はしない、貯金しかしないという行動を取りがちです。
また、先日「ギャンブル好きの彼氏に困っています」というSNS投稿を見かけました。
よく読んでみると、彼氏がつみたてNISAという投資にはまり、将来の資産形成のために彼女にもすすめているとのこと。
彼女は「彼氏が投資詐欺に巻き込まれているのでは?」と心配になって両親に相談したら、「投資はギャンブルだから、やめさせたほうがよい」とアドバイスを受けたそうです。