そのSNS投稿には、「問題なのはあなたとあなたの両親。お金の勉強をしましょう」とのコメントがついていました。

 このように、まだまだ「投資はギャンブルだ」と思い込んでいる人は多いのですね。

 ちなみに、日本は江戸時代まで投資先進国だったのをご存じでしょうか。

 世界で初めて先物取引が誕生したのも日本でした。

 ところが明治時代に入り、国を強くするために工業国を目指すことになっていきました。

 それに伴い、小学校から「勤勉に働いて貯蓄に励もう!」と教育されるようになったのです。

 その後も国のために、戦時中は戦争のためにと貯蓄が奨励され、投資の文化は失われていったと言われています。

 日本人が「貯金が一番」という価値観を持つようになったのは、こうした歴史から考えると自然な流れかもしれません。

 しかし、健全に投資を行うことは、豊かな人生を送るうえでは大切な備えです。

 2024年はNISA制度が恒久化されるタイミングでもありますので、これを機に誰もが気軽に、健全な投資ができるよう、お金の価値観を見直していただければと思います。

お金を崇拝しすぎる口癖も要注意

(3)お金にはパワーがある

・ブランド物を身につけた私ってすごい!
・お金を使うと気分がいいわ
・人生、お金がすべてよ

 誰でもきれいな衣服を身にまとうと、気分がよいものです。

 ただ、口癖になるほどお金や高級品に執着する場合は注意が必要です。

 対外的な価値基準で自分や他者を評価し、お金や物で心の穴を埋めている可能性があります。

 美人でスタイルがよいCさんのお母さん。

 歳を重ねても容姿にこだわり、高級ブランドのファッションや高級コスメなど、何かとお金がかかります。

「やっぱりブランド物を身につけると、気分が上がるのよね!」
「高いものをバーンと買うと、気分がいいわ!」

 といった言葉を繰り返していました。

 また、買い物に行くたびに、
「とってもお似合いですね! モデルさんみたいです。
服に合わせてこちらのバッグもいかがですか?」
と店員さんからすすめられると舞い上がり、買い物自体が目的になっていきました。

 気がつくと、家のクローゼットはお店のようにブランド物でぎっしり。貯金が底をつくなど、経済的にも困窮するようになっていったといいます。