アクセンチュアPhoto:Ursula Alter/gettyimages

コンサルティング大手のアクセンチュアが、現場の社員が知人などを紹介する「リファラル採用」を大幅に強化していることがダイヤモンド編集部の取材で判明した。紹介した社員に支払われる報酬(インセンティブ)を期間限定で通常の8倍の水準に引き上げている。長期連載『コンサル大解剖』の本稿では、“大盤振る舞い”ともいえる報酬の実額に加え、対象を「管理職候補者」以上に絞っている理由をひもといた。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

アクセンチュアが中途採用で
管理職「リファラル」を強化

「管理職候補者向けリワード8倍キャンペーン」――。アクセンチュア日本法人が今、社内でそんなアナウンスを行い、現場の社員が知人などを紹介する「リファラル採用」を大幅に強化していることがダイヤモンド編集部の取材で分かった。

 そもそも同社日本法人はグローバルで約74万人に上る従業員を抱え、ニューヨーク証券取引所に上場する巨大企業、米アクセンチュアの成長の源ともいえる存在だ。

『【独自】アクセンチュアの「超重要顧客」の日本企業2社が判明!自動車メーカーと電力会社の実名公開』でも指摘したが、米アクセンチュアの直近の四半期決算においても、日本はまたもや成長のけん引役になったと名指しされている。一時はグローバルで成長の減速が危ぶまれたものの、日本法人では積極採用を続けているのだ。

 さらに興味深いのは、『【スクープ】デロイトが内部崩壊!“予算未達ドミノ”で大幅下方修正、「禁じ手」人員削減リストラ計画の全容』などで詳報しているように、総合系ファームのBIG4(デロイト、PwC、EY、KPMG)最大手であるデロイトの業績悪化の間隙を縫うかのような絶妙なタイミングで、リファラル採用強化に動いていることだ。しかも、その対象は管理職候補者である。

 次ページでは、アクセンチュア日本法人のリファラル採用の強化に伴い、紹介した候補者の入社が決まった際に社員へ支払われる「驚きの紹介報酬」の実額に加え、管理職以上の候補者の採用を強化する理由を明らかにする。

 また、ダイヤモンド編集部はこのほど同社日本法人の2023年8月期決算の業績を入手。アクセンチュアが採用拡大を維持する背景にある、好業績の中身についても紹介する。