旅のシンボルを「アイコン」にする
集める資料は、パンフレットやガイドマップのように、文字として情報が盛り込まれているものがメインです。ただ、旅先で拾った葉っぱやお菓子の包み紙、回収されなかった切符など、文字としての情報がほとんどないものも、僕は「資料」の一種ととらえます。というのも、文字は書かれていなくても、「自分にとって意味のあるもの」だからです。
たとえば僕は、特急列車の中で押し寿司などを食べたら、弁当箱の裏にある原材料名や賞味期限が書かれたシールをはがして、その場でノートの表紙にベタッと貼ったりします。こういうのも一種の「資料集め」です。ほかの人から見れば「原材料名なんか見てどうするんだろう」と思うでしょうが、僕にとっては、「和歌山に行く特急列車でおいしい柿の葉寿司を食べた」という情報になります。
また、何年か経って表紙を見たときも「このノートは和歌山の田辺に行ったときのものかな」という目印、つまり「アイコン」になるわけです。表紙に貼る場合、ただのりで貼っておくだけだとはがれてくるので、ホームセンターなどで手に入る梱包用の透明テープで覆っておくことにしています。
旅のシンボルを「アイコン」にする
また、落ち葉はアイコンとして非常にいいものです。まったく同じものはこの世にひとつもないし、輪郭や葉脈の形、それに紅葉してきたときの色など、じっくり見ると、ため息をつくほど美しい。生命の神秘そのものと言えます。そんな落ち葉は、以下の2つの方法でノートに「収録」します。
1.ラミネートで実物保存
小さな落ち葉は、梱包用の透明テープで、ノートやノートの表紙に貼ってしまいます。
2.印葉図でイメージ保存
印葉図とは、魚拓のような落ち葉のスタンプのこと。これはちょっと練習が必要かもしれませんが、コツがつかめれば簡単です。
文章や写真といった情報らしい情報でなくても、その形やデザイン、風合いがいろいろなことを語ってくれることがあります。だから、弁当のゴミからでも「資料」は集められる。腹ごしらえのついでに、旅の記念品まで手に入るわけで、旅先で弁当やお菓子を食べるときちょっと楽しみが増えますね。
あまり興味のない資料でも、「このマスコットキャラクターのイラストはアイコンにしようかな」「このロゴマークをノートの表紙に貼ったらいいかも」と考えれば、一応は「採集袋」に入れる意味が出てきます。
先に観光案内所などでガイドマップを入手すると書きましたが、ここでは、もっと手に入れておきたい旅のシンボルがあります。それは記念スタンプです。見つけたら、ノートの表紙にポンと押して、ノートの「アイコン」にします。僕は、案内所でもミュージアムでも駅でも、スタンプを見かけたら100%押すのが癖になっています。表紙にポンとスタンプを押して、その場で自分だけの愛着の持てる旅ノート・散歩ノートにしましょう。