パチンコ、麻雀、女、酒、タバコを欠かさず、ほぼニート状態の父親。それに母親が共依存するという複雑な家庭環境に育った。14歳のとき、父親が自己破産して失踪。貧しい生活を支えた母親は病に倒れ、半身不随に。苦境のなか、独学で大学に合格、奨学金を得た。そして、兄・成田悠輔がくれた本をきっかけに「起業」を志した。話題の書『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険』(ダイヤモンド社)の著者・成田修造は、体当たりで起業家の道を歩むようになる。本書は起業を通じた人生の指南書で、何歳からでも組織に頼らず、副業・独立・起業でビジネスを展開するときに必須の内容。これからは会社員であっても、自分で事業をつくれると強い。その思考法とノウハウを全公開する。
※本稿は、『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【会社員必見】「このままでは自分の人生を生きたことにならない」と思ったワケPhoto: Adobe Stock

10年ほどで得た
起業家としての経験

振り返ると、2012年12月にクラウドワークス執行役員に就任してから、2014年に取締役COO(最高執行責任者)になり、2014年12月に上場

2015~2020年まで副社長COOを務め、2021~2022年は取締役CINO(最高イノベーション責任者)として、新規事業やM&A(買収・合併)、海外事業の立案などに携わってきました。

この10年ほどの間に、事業開発や組織マネジメント、プロダクト開発はもちろんのこと、子会社の立ち上げ、海外企業投資、IR(投資家向け広報)など、僕はクラウドワークスで本当に多くの経験をさせてもらいました。

絶好調のタイミングで
退社することを決断

2022年、クラウドワークスは売上高100億円営業利益10億円を実現するまでに成長し、従業員数はアルバイトを含めて450人を超える規模になりました。

2014年の上場時と比べると売上高は25倍にまで成長し、新たな挑戦のステージに立てたと確信しています。

このように絶好調のタイミングでしたが、2022年12月の株主総会をもって、僕はクラウドワークスを退社することにしました。

上場企業の役員を
辞めるのはもったいない?

クラウドワークスを辞めたことについて、「なぜ?」「もったいない」といった声をいただくことがあります。

確かに、リモートワークの普及やフリーランスという立場の確立、副業の解禁、働き方改革の推進といった社会の大きな流れをみても、クラウドワークスの成長は間違いないと思っています。

「上場企業の役員」という肩書き自体に、社会的な価値があることも理解しています。

社会的地位を捨ても
新しい挑戦に踏み出す

ただ、僕個人の人生やキャリアを考えたときに、「30歳」「10年」という節目を迎える中で、あらためて新しいチャレンジをしたいと思うようになったのです。

ゼロから事業を立ち上げ、クラウドソーシングや副業、フリーランスが当たり前になってきたこのタイミングで、自分が人生で成し遂げたいことやってみたいことは何かを冷静に考えてみたい。

自分自身で起業して、また別の社会課題やテクノロジーにとり組み、大きな価値を生み出していきたい。

僕の体は1つで、人生は1度しかありませんから、リスクを背負ってでも、新しい挑戦をしたくなったのです。