台湾総統選に勝利した民主進歩党の頼清徳副総統、蔡英文総統、副総統候補の蕭美琴氏(左から)台湾総統選に勝利した民主進歩党の頼清徳副総統、蔡英文総統、副総統候補の蕭美琴氏 Photo:SANKEI

2大政党への不満が
露呈した台湾総統選

 今年は「選挙イヤー」とされ、11月の米国大統領選まで毎月のように主要各国で重要な選挙が続く。その先陣を切って1月13日、台湾で国家元首に当たる「総統」の選挙が行われた。

 結果は、直前の世論調査通り、与党民進党(民主進歩党)の頼清徳氏が勝利し、その意味では波乱のない順当な結果であった。ただ、より詳細に見れば、台湾が直面する内政と外交上の課題を浮き彫りにした結果だともいえる。

 まずは選挙結果を数字で確認すると、当選した民進党の頼清徳氏は558万票余りを獲得、得票率は40.05%、2位は最大野党である国民党の侯友宜氏で467万票(得票率33.49%)、3位は台湾民衆党(以下民衆党)の柯文哲氏で369万票(26.46%)だった。

 4年前の前回総統選では、1位の蔡英文氏(民進党)が57.13%、2位の韓国瑜氏(国民党)は38.61%であり、それぞれ得票率を落としている。このことは、国民党と民進党による2大政党体制への不満を示していると理解すべきだろう。