(4)飼育欲
「いずれセックスを経験するのだから、自分が先に救えてあげよう」
「性教育の一環で、体がどんな反応をするか教えてあげようと思った」。
これもグルーミングや性加害をする者特有の認知の歪みです。「飼育欲」は、プログラムのなかで当事者たちが使用した造語です。性に対する知識や経験が少ない子どもは、まるでまっさらな白いキャンバスのような存在です。彼らはそのことを熟知しており、自分が「性教育」を施し、育てたいと考えるのです。
当然ながら、性加害は正しい教育とはかけ離れたものですが、彼らは加害行為を繰り返すうちに、自分が子どもに「教え、導いている」のだと信じて疑わなくなっていくのです。「育てる」のほかに、「開発する」という言葉も彼らはよく用います。
(5)児童ポルノ
「児童ポルノがあるから現実の子どもに被害が及ばずに済んでいる。だから児童ポルノは必要だ」
「児童ポルノは現実の子どもには害がないから問題がない」。
児童ポルノを所持している人すべてが性加害を行うわけではありません。しかし、児童ポルノは確実に性加害者の再発リスクを高める重要な「トリガー(引き金)」になります。
日本には幼い子どもを性の対象にした二次的創作物やウェブサイトが数多くあり、諸外国に比べると圧倒的に手軽に閲覧できる状態です。これらに頻繁に接し続けることで「子どもを性の対象として消費していい」という認識が少しずつインストールされ、認知の歪みを強化していく加害者もいます。
LGBTや精神障害に寛容な時世に乗って
「だったらペドもセーフだろ」と正当化
(6)性的指向としての主張
「ペドフィリアはLGBTと同じだから仕方ない」
「大人の女性に興奮しないから、子どもで性欲を満たしたくなるんだ」。
とある保守系の文芸評論家は、「LGBTの権利を守るなら、痴漢症候群の男の触る権利も社会は保障すべきだ」と寄稿し、掲載した文芸誌も含め各方面から大バッシングを受けました。性加害者の「ペドフィリアはLGBTと同じだから仕方ない」という主張もまさしく同じロジックです。