でも、今、何にも取引していない人が、「安いタイミングを待って買おう」としても、それはきっと無理ですよ。多少下がったタイミングがあったとしても、その先上がるか下がるかはわかりませんし、そもそも、ゴールドの価格をずっと見ているのも大変です。そんな手間と損を回避するための手段が、「長期積立」なのです。ちなみにゴールドは、その時々で多少値段が上下しますが、長期的に見たら価値が上がり続けています。
こういうものは、10年20年と長期で積み立てれば、将来的な価格変動のリスクが小さくなる。「ちょっと高いときに始めちゃったな」と思っても、長い目で見れば大きな違いはない、というわけです。
グラフ:本書より 拡大画像表示
ということで、純金積立を始めてみてはいかがでしょうか。純金積立は、取り扱う会社にもよりますが、少額からコツコツ、しかも天引きのように自動引き落としでできるのも魅力です。
「純金積立」を選ぶには
この3つに着目したい
「純金積立」を取り扱っているのは、田中貴金属や徳力本店などの地金商、三菱マテリアルなどの非鉄金属メーカー、証券会社などです。選び方のポイントは次の3つです。
(1)会費や手数料が安い
入会金や年会費があるところとないところがありますし、手数料や保管料も会社によって異なります。始める前に比較してみましょう。もちろん安いところを選んでくださいね。
(2)将来の受け取りが現物
積み立てた金は、一般的に、「現物で受け取る」「金貨や他の貴金属に交換してもらう」「売却して現金で受け取る」方法がありますが、取扱業者によって「現金での受け取りのみ」であることも少なくありません。せっかく「純金」という現物を積み立てるのですから、現物での受け取りが可能なところがいいでしょう。いつか、地金(いわゆる金の延べ棒)を手にできると思うと、それだけでもワクワクしませんか?
(3)会社の保管方法が自分に合うところ
「純金積立」では、毎月現物の金が送られてくるわけではなく、運営会社が積み立てた金を保管します。保管する方法は、所有権が運営会社(取引する会社)に帰属する「消費寄託」と、所有権が契約者に帰属する「混蔵寄託(「特定保管」と呼ぶこともあります)」の2種類です。保管方法によって、保険料が違ったり、どちらの保管方法にするかを選べたりする会社もあります。「消費寄託」の場合、運営会社が倒産したときに、預けていた金が戻ってこない可能性もあるため、私はリスクの少ない「混蔵寄託」がいいと思います。