自分の想定よりも低い人事評価を受けた場合、不満を覚える部下は多い。しかし、問題なのはそこで上司に文句を言うことだという。なぜ上司は部下から評価について文句を言われるのが大嫌いなのか。3つの理由に迫った。※本稿は、岡田洋介『評価される人になる技術』(ぱる出版)の一部を抜粋・編集したものです。
「評価に文句を言う部下が大嫌い」
上司が譲れない「3つの理由」とは
人事評価において、本人評価をした後に上司評価とすり合わせをする会社が増えています。自己評価と上司評価が一致せず、嫌な思いをした経験がある方も多いと思います。
特に、あまりにも乖離が大きいと、本当に上司は自分を見てくれているのか不安になったり、苛立ったりすることもあるかもしれません。
特に、自己評価の方が上司評価よりも高いケースは、不満になりやすいですし、不満の温床になりがちです。自分が思ったよりも評価されていないわけですから。
もちろん、自己評価が高いこと自体は悪いことではありません。自己評価が高い人は、次のような特徴があることが多いです。責任感が強い、仕事を最後まできちんとやりきりたい、ミスなく確実に業務を遂行したい、目に見える成果をきちんと達成したい、など。仕事をする上で、こういった思いはとても大切です。
問題なのは、自己評価と上司評価が一致しない際に、上司に文句を言うことです。なぜなら、上司は、自分のつけた評価に文句を言う部下が大嫌いだからです。そこには、3つ理由があります。
第1に、文句をつけられても評価を変更することが難しいからです。ほとんどの企業では、上司が評価する場合、相対評価という形式がとられています。相対評価とは、他のメンバーの仕事ぶりも踏まえて、部署として良い評価とそうでない評価のバランスをとったり、順位をつけたりするやり方です。
例えば、A評価は20%以内などと決まっており、全員にA評価をつけることができないわけです。つまり、評価を変更するということは、他のメンバーの評価にも影響するということで、簡単には行えません。変更しづらいことに関して文句を言われても、何もできないというのが上司のホンネです。