第2に、仕事の成果や仕事ぶりを評価するのは、自分ではなく、上司だからです。仕事とは誰かに喜んでもらったり、価値を提供したりするものです。それが実現したかどうかを判断するのは上司です。上司は部下をマネジメントしながら、部署として価値を生み出す責任を負っているのです。

 あなたには、仕事を通じて発注者の期待する価値を提供する義務があり、それができたかどうかを判断するのは上司です。そもそも、自分で自分の仕事の評価を決めて良ければ、みんな高い評価をつけてしまいます。

 ほとんどの上司は、メンバーが思うよりも部下の仕事を客観的な視点で判断しています。他者との関係性や他者に与える影響などを総合的に見ています。

 評価には好き嫌いが大きく影響しますが、それは上司から見て自分をどれくらい支えてくれたかということです。上司なりにきちんと評価しているわけですから、それを受け入れられない部下は味方には見えません。

 第3に、評価に対して文句を言う人は多くの場合、「あの人よりも自分の方が仕事をしっかりやっている」「自分の方が業務をこなしている」などと他者と比較をしたがるからです。他者を攻撃するような言動が日常から多く見受けられ、時には軋轢を生みます。

 上司はその軋轢を解消するために工数を掛ける必要があり、本来は必要のなかった仕事を増やされます。しかもこういった仕事は、何か価値を生むわけでもなく、単なる面倒ごとです。

 以上の3つの観点から、上司にとって評価に文句を言う部下は、評価を上げるどころか、下げたい部下になってしまいます。さらに、「面倒くさい部下」として翌期を迎えることになってしまうため、文句を言うことは百害あって一利なしです。