4)戦略の立案とメンバーのタスク管理はセット

 チームXを進めるうちに私が痛感したのが、「タスク管理の不徹底」による機会ロスが非常に多いということでした。

 リーダーが戦略と実行計画を立てるだけでは不十分で、実際にメンバーが職務を遂行できているかを細かくチェックしないと目標は達成できません。

 特に、上司から頼まれた仕事は、部下が「自分ごと化」できていないとタスクのやり漏れが発生しやすい。

 当事者意識を持ってもらうことも大事ですが、「メンバーはタスク漏れするもの」という前提で、リーダーがメンバー全員のタスクをマネジメントする必要があるのです。

5)風土に最も大きな影響を与えるのは「リーダー」

 チームや組織のたとえとして、1匹の羊に率いられた100匹のライオンの集団より、1匹のライオンに率いられた100匹の羊の集団のほうが強いといわれています。リーダーの影響力がそれほど重要だということです。

 たとえば、総勢10人のチームにトラブルが降りかかったとします。その際、リーダーが解決を諦めると、それを見た残りの9人もトラブル解決を諦めます。その結果、チーム全員が戦力外になってしまいます

 リーダーに向いていない人を安易にリーダーに選ぶぐらいなら、最初からリーダーはいなくていいのです

「管理職にしたら絶対マズい人」を見抜く“シンプルな方法”

 プレーヤーであれば、長所を伸ばして、短所には目をつぶることが可能です。しかし、部下は、リーダーの良いところではなく、悪いところに合わせます

 なので、リーダーになるべき人を選ぶ際には、ストロングポイントがどれだけ優れているかではなく、1番悪いところがどれだけましかを見極めることが大事なのです。

 部下を無能にしてしまうリーダーには、以下の10個の特徴のどれかが当てはまります。1つでも該当したら、リーダーとしては不適格です。

①すぐにあきらめる
②できない言い訳をする
③危機感がない
④成果が出ない理由を外部要因にする
⑤やるべきことを「自分がやらなくていい理由」を見つけてやらない
⑥ミスをしても謝らない
⑦ミスをしても、バレないようにごまかす
⑧人が見ていないところでサボる
⑨うそをついてごまかす
⑩トラブルから逃げる

 1社1社の変革が、日本全体の変革につながります。もし既に自分がリーダーなら、この10か条を常に意識して、チームXに取り組んでください。

(本稿は、新刊『チームX』刊行記念セミナーの講演ダイジェスト記事です)