正解は 1

解説 日々のニュースを投資に生かすことは大事ですが、ネットを中心に大量の情報があるだけに、「なにを選ぶか?」よりも「なにを捨てるか?」がポイントになります。

すべてを拾うことは不可能ですから、「不要な情報には触れない」というスタンスが必須です。

投資につなげる情報を得るには、大前提として集めるのは「自分が理解できるジャンル」の情報であること。

そのなかで、投資に直結しそうな情報だけを拾うように意識するといいでしょう。

投資対象としての
創薬ベンチャーは慎重に

今回はスマホのニュースを見出しだけでサクサク判断するための設問です。①の政府が創薬ベンチャーの支援をはじめるというニュースは、業界にとっては追い風です。

ただし、創薬ベンチャーの実態をみると、ほとんどの会社が赤字続きで、上場したあとも赤字が解消せず、期待感だけで株価が上昇する“マネーゲーム”になっている傾向が強いです。

それだけに、政府からの支援を得られたとしても、創薬ベンチャーが本当に世の中に対して付加価値を提供できるようになるかどうかの判断は、慎重にならざるを得ません。

そもそも、創薬ベンチャーは厳しい状況にあるので、政府が支援するという理由だけで投資をするのは少し勇み足だと思います。

【株投資】やってはいけない「儲かる株」の見つけ方は?イラスト:カツヤマケイコ

実際に業績が
上がるかどうか?

②は、EVの部品メーカーに政府が支援をするというニュースです。これも①と同様に政府が支援をするという事実はプラス材料ですが、それだけで部品メーカーの業績がよくなるわけではありません。

政府からの支援を得られることと、実際に業績が向上することは別問題として考えなければなりません。

基本的には、実際に業績が上がらないと株価も上がりません。そのために大事なのは、その部品メーカーが、どんな技術をもっていて、市場にどんな付加価値を与えて、新たに業績を伸ばせるかということです。

時価総額が大きな会社は
小型株集中投資の対象外

③は、円安によって貿易赤字が拡大しているというニュースですが、深掘りすれば投資につながる可能性のある情報です。

ただし、輸出入に関連する会社は、自動車メーカーのように時価総額が大きい会社が多いです。

貿易関連の仕事をしていたり、この業界に詳しくて得意分野だったりする人以外は、このニュースを深掘りして、投資を検討する必要はないでしょう。

自分が詳しいジャンルや
業界を深掘りしよう!

④にあるとおり日本政府が外国人の入国規制を緩和してから、インバウンド(訪日外国人旅行者)が増えてきました。

コロナ禍で壊滅状態だった観光業界も、本書『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 【1問1答】株ドリル』執筆時点ではにぎわいをとり戻しつつあります。

観光で必要不可欠なのは、「食」「宿泊」「移動」です。観光産業の復活で、こうした業界が伸びていくことが予想されるので、このニュースをきっかけにして投資先を探ることは、とても有益です。

今回は①を正解としましたが、厳密にはニュースの拾い方に正解・不正解はありませんから、自分自身が詳しいジャンルや業界のニュースを積極的に深掘りしてみましょう。

【株投資】やってはいけない「儲かる株」の見つけ方は?イラスト:カツヤマケイコ

ポイント 日々のニュースから得られる情報を投資につなげる

※本稿は『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 【1問1答】株ドリル』(ダイヤモンド社)から一部を抜粋・編集したものです。