保険にお金を使いすぎて
今が疎かになるのは本末転倒

 しかし、そうすると保険料ばかりがどんどん膨らんでいき、結果として、月々の「使えるお金」が減ってしまいます。保険会社からすればありがたいことなのですが、起こるかどうかわからない未来のためにお金をたくさん使い、いまの楽しみをないがしろにすることは、本末転倒。若ければ若いほど、保険の支払いは少ないに越したことはないのです。そのほうが、自由に使えるお金が増えるわけですから。

 就業不能保険にしぼって加入すれば、月々2000円~3000円、高くても5000円程度で済みます。飲み会1回分ですから、払いやすい額でしょう。

 プロのファイナンシャルプランナーの人たちによれば、これからは給与が下がるかもしれない時代だから(実質賃金は下がっています)、固定費である保険料はトータルでも「手取りの3~5%程度」に留めておくことが必要だということです。

高額な医療保険は
本当に必要?

 これは、医療保険も同じ。日本では医療費の自己負担は3割で済みます。万が一、治療にお金のかかる病気にかかっても、高額療養費制度(1カ月の間に支払った医療費が一定額を超えた場合、その超えた金額を支給する制度)もあります。

 もちろん、がんなどの難病にかかったときは、「先進医療を受けたい」「健康保険適用外の新しい治療を受けたい」と思うかもしれません。それに備えたい人は、医療保険を買いましょう。いろいろとプラスアルファの保障がついていないシンプルなものを選べば、さらに飲み会を1回我慢すれば払える額で済みます。

 また、「入院したとき、ほかの人と同じ空間にいたくない。ゆっくりできる個室がいい」という人。このタイプの人は通常の入院よりも費用がかさみますから、医療保険を買ったほうが安心です。逆に「個室じゃなくていい、大部屋でじゅうぶん」というのであれば、保険に頼らずとも自分で払えるでしょう。

 医療保険が必要かどうかは、みなさんの生き方や哲学が反映されるのです。