継続的に学習し柔軟な適応能力を高める
戦略リスクとオペレーションリスクの重要性を説明してきたが、最後に重要なのは、仕事に向かう姿勢を変える、つまり、継続的に学習し、自己の適応能力を高めることである。
コロナ禍で我々はテレワークやオンライン学習といった新しい働き方、学び方を強いられた。これらの変化は、多くの人々にとって挑戦であったが、同時に新たな可能性をも開いた。
未来に対する不確実性が高まる中で、新しい技術や方法を学び、柔軟に適応する能力こそが、生存と成功の鍵となる。 “変化が常態”であり、事業計画もまた朝令暮改が当たり前と考えることが必要だろう。
現在、読者の会社でも新年度の事業計画を作成しているだろう。これが単に昨年の延長線上でしかなく変化を織り込んでいないなら、ドラッカーの警告通り、企業や事業は大きなリスクに直面する。
戦略リスクとオペレーションリスクの両面から事業計画を見直し、自らの継続的な学習と自己の適応能力を高め、柔軟性と適応性のある組織運営をしなければならない。難易度は高い。しかし、未来に確実に起こる変化がある以上、それが起こってからではなく、今から備えをしている企業しか生き残れないのだ。
逆に言えば、乱気流の時代は、先を読んで行動すれば、現在の市場における地位を逆転できる“チャンスの時代”ともいえるのである。ここに述べた通り、ヒントはある。健闘を祈る。
(プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役 秋山 進、構成/ライター 奥田由意)