オペレーションリスクにはチェックリストで対応
一方、オペレーションリスク(短期×運用)に対する備えとしては、各種のチェックリストが有効である。起こり得る事象のリストや、リスクコントロールマトリクス(リスクに対する対応表)、計画が適切に管理されているかを確認するためチェックリストなどのことだ。
オペレーションリスクへの対応は、多くの企業で基本的には対応済みなのだが、昨今の問題は、リソース不足で、組織がやるべきことをやり切れていないことにある。プロジェクトの複雑性が格段に上がっているにもかかわらず、全体を仕切るマネジメント能力はむしろ下がっているのだ。
また、働き方改革が浸透した現在では、現場の無理(例えば、徹夜作業)も利かなくなっている。組織も分けなくても良いものを、あえてグループ会社化してしまい、グループ会社と本社(ホールディングス等)の間で情報が途絶えがちである。
そのため予想外の事象が発生する可能性が高くなる。余裕を持った事業計画を作るべきなのに、本社の高い要望と現場の実情をすり合わせて事業計画を作る能力のある人材も枯渇している。
深く考えずに、数字合わせの事業計画ばかり作っていると、最終的には現場が事故(不正、ミス、ハラスメント問題等)を起こしてしまうのは、昨今の企業不祥事ですでに見飽きた光景だろう。
もちろん、計画のみならず、オペレーションの実行についても細心の注意が必要である。