自社の生産性向上の効果と相まって、20年の時点で営業利益は10年前と比べて約18.5倍にまで伸びていた。コロナ禍の中ではオフィス来社に難しさもあったが、デジタル化セミナーの開催等により新規顧客を増やし、21年には売り上げ、利益ともにさらに向上させている。

 顧客をとにかくたくさん獲得して、たくさん販売していこうというのが、かつての発想だった。しかし今は顧客を絞り込み、その顧客と信頼関係を深めて取引を拡大させていく、という考え方にシフトさせている。

 そして自社独自で今もさらなる働き方改革への取り組みや、新しいデジタルツールの情報収集を積極的に推し進めている。そうすることで、提案商材はどんどん増えていく。これがそのまま、顧客への提案機会を生み出していくことになるのである。

変化に対応し常に新しいものを提案
広報担当も採用し情報発信も強化

 ワークスマイルラボは、顧客への提案内容となる新しいワークスタイルを常に拡大している。数カ月もたてば、「また、こんなコンテンツが増えている」と驚くことになる。1年もたてば、さらに変わっていく。

 そのため石井氏は社員に「お客様の前回のご来社から1年がたったらまたお連れするように」と言っている。

 デジタルツールは進化が激しいが、それについても情報収集と対応を怠らない。新しいツールに適応し、新しいコンテンツやワークスタイルに結びつけている。あくまで、自社が実践して良かったものを提案するため、顧客からの共感は強い。

 しかも、働き方のみならず、「これをやったら生産性が上がった」「採用活動でこんなことをすればうまくいった」「社員の営業成績がこれで上がった」など、生産性の向上や採用活動の成功まで、コンテンツの領域は広がってきている。