常に新しいものを提案し続けられるのは、やはり理念があるからだと社長の石井氏は言う。昨今「ライブオフィス」のようなデザイン性の高いオフィスを作り、来社した顧客に導入を勧める企業が増えているが、多くがワークスマイルラボのような成果にはつながっていないのは、それが「“ワークプレイス”の提案だから」というのが石井氏の考えだ。

 ワークスマイルラボは“ワークスタイル”を提案・販売しており、またそれを続けられるのは『「働く」に笑顔を!』の理念があるからだ。

 また、来社体験型の販売だけに、いかにして興味を持ってもらうか、自社に見に来てもらうか、が重要なポイントになるが、早い段階で対策を打ち出していた。来店型オフィスを作ったタイミングで、広告代理店の勤務経験がある広報担当者を中途採用しているのである。

書影『このビジネスモデルがすごい!2』『このビジネスモデルがすごい!2』(あさ出版)
船井総合研究所 著

 当時はまだ会社は10数人の規模。社内からは、広報の専任担当を採用することには反対の声があったが、社長が決断した。広報担当者は入社後、メディア対応を積極的に行ったり、プレスリリースを発行するなど情報発信を推し進め、じわじわと成果につながっていった。

 実際、取材記事がたくさんある。積極的な広報戦略によってワークスマイルラボが認知され、そこから顧客による来訪やオフィス視察の受け入れにつながったケースも多い。広報戦略から、多くの接点が生まれていったのである。

 今も、新たなコンテンツのスタートなど、積極的な広報活動は続いており、情報発信が収益に結びつく形になっている。