身近でも目につく急激な少子化
筆者が住む釜山市は韓国第2の都市で、2023年の人口は329万人。韓国の都市の中でも、釜山市は近年、特に少子化が進んでいる。昨年、釜山市で出生した新生児は約1万2000人ほどしかいなかった。
現在住んでいるアパートに引っ越して10年になる。このアパートは650世帯、ファミリー層が多く住んでいる。地区には1校の小学校と2校の中学校があり、さらには幼稚園も点在し、これまでは少子化のニュースを聞いてもどこかまだ人ごとというか、あまり実感はしていなかった。
しかし今月、新年度の小学校のクラス数の編成を見て少子化を痛感させられた。これまでは1学年6~7クラスが基本だったのが、今年度の1年生は4クラスになっていたのである。この小学校は1クラスが25人前後で編成されているため、従来の7クラスなら1学年175人程度の小学生がいるということだ。それが一気に3クラス分、75人も減ったというのは、やはり少子化の波が確実に押し寄せているということだろう。
それでも、約100人の新入生がいるこの小学校はまだいい方だった。同じ釜山市内でも、場所によっては新入生が10人以下や、まったくいない学校もあると聞いた。韓国全土では、今年度、新入生が0人だった小学校が157校あったという。
都市部ですらこの状況となれば、地方はさらに深刻であることはいうまでもない。今後さらに、児童・生徒数の減少は加速し、小中学校の統廃合、私立校を中心に高校や大学の廃校もより一層顕著になるだろう。