政府の少子化対策は逆効果?
政府はもちろん少子化対策を行っている。少子化対策として支援を加速させればさせるほど、国民の生活が向上すればするほど、状況の改善に効果が表れるどころか、少子化に拍車がかかるという皮肉な状態なのである。
もはや韓国が自力で少子化を解決することは不可能だと思われる。日本にも言えることだが、子育てのしやすい環境をもっと根本的に見直し、改善に向けて中長期的に取り組まなくては、問題は解決しないのだ。妊娠・出産、幼児期の支援を手厚くしたところで、子どもが小学校に入学したあと、親の金銭的な負担は増加する一方である。20年前から少子化が指摘されていたのに、しっかり準備をしてこなかったことから国の責任が大きいのはもちろんだが、国民もまた時代や価値観の変化に対応できていなかった結果ともいえるかもしれない。
韓国や日本だけでなく、中国やシンガポール、台湾、香港など東アジアのさまざまな国や地域で顕著な少子化が進んでいる。こうした国はやはり、韓国と同様に「学歴至上主義」や「物質至上主義」が浸透している、あるいは似たような社会観、教育観が国民にあるのではないだろうか。
少子化のニュースを聞く度に、将来への不安と、それ以上になんともいえない寂しさを感じる。打開策がすぐには見いだせずとも、せめて子どもや若者たちが、これからの未来に少しでも希望や幸せを感じられるような社会になることを願いたい。