(4)偏差値はなかなか上がらなくて当然
がんばって勉強した後に受けた模試で、偏差値が上がらないことがあります。むしろ下がってしまうこともあり得ます。成績というのは、勉強してから成果が出るまで、3カ月はかかるものです。夏休み期間の7〜8月に一生懸命に勉強したなら、その成果は9月の模試ではすぐに出ず、10〜11月の模試で出るのです。
模試を受けるほかの受験生たちも、日々勉強をがんばっています。マラソンのレース中に自分が走るスピードを上げたとしても、周囲も走るスピードを上げたら、順位は上がらないですよね。
偏差値も同じです。現状維持するだけでも大変なのです。ですから「偏差値が変わらないから、成果が出ていない」と考えるのは誤りです。偏差値が変わらないときは「周囲と同じくらい学力が上がっている」のです。
偏差値で学力を測るのは危険
勉強すれば、それだけ学力は上がります。知らなかったことを知り、できなかった問題が解けるようになっているのです。偏差値に表れなくても、学力は上がっています。
でも、相対的なものさしである偏差値は違います。学力が上がっていても偏差値は下がるということがあるのです。勉強しているのであれば、偏差値に惑わされてはいけません。
勉強してもすぐに偏差値が上がらないのと同様に、ちょっとくらい勉強をサボっても、偏差値はすぐに大きくは下がりません。偏差値だけで勉強の成果を測ろうとすると、「自分は勉強しなくても成績が上がるタイプかも」といった勘違いにつながります。
その勘違いをしたまま勉強しないで受験期を迎えると、取り返しがつかないことになります。