テレビ・ネットで「日本のウォーレン・バフェット」と話題! 1936年(昭和11年)、兵庫県の貧しい農家に4人兄弟の末っ子として生まれた。高校を出してもらってから、ペットショップに就職。そこでお客だった証券会社の役員と株の話をするようになった。そして19歳のとき、4つの銘柄を買ったことが株式投資の始まりだった。あれから68年、バブル崩壊では10億円あった資産が2億円にまで減った。しかし今、資産は18億円まで増え、月6億円を売買しながら、デイトレーダーとして日々相場に挑んでいる。隠しごとなしに日常生活から投資法まで全部書いた話題の書『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。

【新NISAにも役立つ】資産18億円! 87歳・現役トレーダー「リスクを冒したくない人」にオススメの銘柄愛鳥・7代目インコのピーちゃんを頭に乗せて、昼食のうどんを食べるシゲルさん(写真:松田小牧)

配当金は年3000万円

企業が株主に利益を配分する配当利回りは、3%くらいあれば、まぁいいほうだと思います。

私がもらっている配当金は年間合計3000万円程度なので、資産18億円からいえば2%もありません。

世紀東急工業のように増配を発表し、2024年3月期の年間配当予想を配当利回りを8.21%とする非常に高い水準の会社もありますが、私は「高配当」よりも「成長性」を重視しています。

「高配当」の落とし穴

また、「高配当」といえば聞こえはいいですが、株価が下がれば配当率は上がりますからね。ですから、「高配当=優良株」とは断定できません。

高配当の銘柄を購入したはいいけれど、株価が下落してしまった……というケースは多々あります。

また、業績が悪くなったから高配当になってしまったような銘柄では、そのまま業績が悪化し続けた場合には、企業から「配当予想の修正」が出され、減配となるケースもあります。

「配当性向」の本質

「配当が高ければ高いほど株主が得するのでは?」と思う人はよく考えてみてください。

税引後の利益である「純利益」のうち、会社がどれだけ配当金の支払いに向けたかを「配当性向」といいますが、大企業を中心に配当性向は30~40%のところが多いです。

配当性向が高いということは、その分「会社の利益を株主のために使ってしまっている」ことを意味します。

「配当利回り」のワナ

とくに新規上場したばかりの企業に多いのですが、配当ゼロで利益を「今後の成長のために先行投資する」と表明する企業もたくさんあります。

私は成長していく企業が好きなので、配当をそこまで重視していないのです。

その会社が配当についてどういう考えを持っているかを知ることは重要ですが、高配当狙いのときにも、配当利回りの高さだけに注目するのでは、そのうち足をすくわれるでしょうね。

リスクを冒したくない人
にオススメの銘柄

単に高配当だからといって銘柄を選ぶよりは、業績が安定していて、安定的に同じ水準の配当を出す企業を選ぶのがいいでしょう。

たとえば商社のなかでも、住友商事や双日といった銘柄は配当利回りが4%近い(本書執筆時点)です。

この規模の大企業が急に業績不振になることは稀まれでしょうから、リスクをあまり冒したくない人にとってはオススメできる銘柄です。

※本稿は、『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。