女性に更年期があるのは知られているが、実は男性にも更年期障害が起こる可能性があるのは意外と知られていない。個人差はあるものの、ひどくなると深刻な病気に繋がってしまうケースもあるという。欧米では「男性更年期」に対して手軽でリスクが少ない、ある療法が人気だという。本稿は、堀江貴文『金を使うならカラダに使え。老化のリスクを圧倒的に下げる知識・習慣・考え方』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。
心身ともに不調を引き起こす
「テストステロン」の低下
「テストステロン」とは男性ホルモンの代表。13歳くらいから分泌が増えるためにヒゲが生えたり、声が太くなったりする第二次性徴が始まることは誰しも知っているだろう。しかし、40代に入るころから分泌が減り、さまざまな症状を引き起こす可能性があることは意外に知られていないようだ。かくいう僕も、知らないことが多くあったのが、順天堂大学の堀江重郎教授への取材だ。堀江教授は男性更年期の研究でもよく知られている。
僕は毎年人間ドックを受けている。会社を作って独立したころ、当時の経営のパートナーから言われたのがきっかけで、そこからずっとだ。
堀江教授によると、一般的な人間ドックと、男性更年期やアンチエイジング医学の検査とでは内容が異なるそうだ。その違いは「専門分野の検査項目が加わること。そして、検査結果を解析し説明する医師の専門性が異なること」(堀江教授)。
男性のアクティビティについて重要な項目が「テストステロン」と、テストステロンの合成や増加に関わる「亜鉛」と「ビタミンD」で、ベーシックな健康診断には入っていない項目だ。僕もテストステロン値は測ったことがなかった。自分の身体に気を配る経営者には必要な検査だと堀江教授に指摘された。
そもそも、ホルモンとは何か? ホルモンはごく僅かな量で身体のさまざまな機能の調節を行う情報伝達物質で、タンパク質のもととなるアミノ酸やコレステロールから作られる。男性ホルモンとも呼ばれるテストステロンは、男性においては主に精巣で、一部は副腎という小さい臓器でも作られている。堀江教授によると、男性ホルモンの働きには、骨・筋肉の形成、筋力の維持、造血作用、性機能、動脈硬化の予防、脂質代謝への関わりなどがあり、その影響で現れる“性質”が3つあるという。
1つは冒険。狩猟や旅、新しい物事へのチャレンジ。
2つめは仲間を作ること。
3つめは競争心。縄張り争いやゲーム、スポーツ、仕事も含まれる。
これらの性質により、仲間は作るが他のグループと競うこともし、新たな仕事にチャレンジして達成感を得ようとする時には必要なホルモンだとわかる。