9割の社員にとって
経営戦略は「他人ゴト」
では、事業構造変革はどう進めていけばいいのでしょうか?
変革を起こす際には、一つのセオリーがあります。
(1)経営トップが経営戦略をつくる
(2)経営戦略を全ての社員に浸透させ、実行に移す
(3)結果がでるまでPDCAサイクルを回す
の順に変革を進めていくことです。
とくに、「(1)経営トップが経営戦略をつくる」から、「(2)経営戦略を全ての社員に浸透させ、実行に移す」までのプロセスは、変革の成否を決める上でとても重要です。このプロセスを踏まない限り、変革が自然に起こることは決してありません。
変革に苦戦している企業を見ると、経営者が戦略や方針を作り、それを伝えてはいるものの、9割以上の社員は戦略や方針が自分の日常業務と結びいていません。どちらかと言えば「他人ゴト」の状態となり、中途半端な取り組みに終わってしまうことが多いのです。
「他人ゴト」――。
一般的には「危機感がない」「意識が低い」などとネガティブに捉えられがちです。実際、そういった社員もいるかもしれません。
しかし、大多数の社員は、旧態依然とした自社の現状を見て、「このままで大丈夫なのか」と将来に不安を感じ、「何かやるべきことはないのか」と危機意識を抱いています。