カスケードダウンで
経営戦略を「自分ゴト」化
では、危機意識を持っている社員が、経営戦略を「自分ゴト」にし、自ら行動するために、経営者は何をすべきなのでしょうか?
ヒントは会社に対して、日ごろ社員が感じているホンネの中にあります。
「経営が何をどうしたいのか分からない」
「会社がどこに向かうのか見えてこない」
「経営戦略が漠然としていて分かりにくい」
コンサルティングをしている会社の社員に話を聞くと、こうした声が上がってきます。そこから分かるのは、確かに経営者は社員に向けて経営戦略を発信してはいるものの、単に「伝えられた」形になっているだけ、社員が経営戦略を「理解し、納得し、腹に落ちている」状態ではないということです。
もうお分かりでしょう。経営者がまずやるべきは、策定した経営戦略を社員一人ひとりが理解し、納得し、腹に落とすまで、適切な方法で伝える努力を続けること。その上で、経営戦略を社員の具体的な行動に落とし込んでいきます。
『カスケードダウン――人と組織が自ら動く経営戦略の浸透策』では、経営戦略を浸透させ、変革を起こしていく一連のプロセスを「カスケードダウン」の手法を使って紹介しています。
「経営戦略を策定したが結果が出ない」「事業変革が一向に進まない」「人的資本経営に取り組みたい」、そうした企業の経営者、事業責任者、人事担当者、企画担当者の皆さんには、ぜひ本書を参考にカスケードダウンを実践していただければと思います。