生保・損保・代理店の正念場#20Photo:PIXTA

訪問販売型の乗り合い代理店最大手で、東証プライム市場に上場するFPパートナー。その時価総額は約1000億円を超え、ほかの上場代理店の追随を許さないが、同社を去る募集人が絶えない。特集『生保・損保・代理店の正念場』(全31回)の#20「覆面座談会(上)」では、その報酬体系の内情を明かしてもらった。(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)

【座談会参加者】
佐藤氏(仮名):50代。10年以上勤務
川島氏(仮名):40代。10年前後の勤務
上田氏(仮名):30代。5年前後の勤務

訪問販売型最大手に躍進したFPパートナーも
時価総額半減で陰りが見え始めた

 今や、訪問販売型の乗り合い代理店最大手に躍進したFPパートナー(以下、FPP)。2009年12月に創業者である黒木勉氏があんしんFPを立ち上げて以降、右肩上がりの成長を続け、22年9月には東京証券取引所グロース市場に株式を上場。それからわずか1年後の23年9月には、東証プライム市場へと上場市場区分を変更するに至っている。

 24年11月期の決算で、売上高は過去最高の約306億円、当期純利益は約40億円を計上し、保険募集人の数は2300人を超えるなど、破竹の勢いで成長してきた。

 ところが、24年3月上旬には1800億円に迫る勢いだった株式時価総額は、現在では1000億円ほどに半減し、FPPの勢いには陰りが見え始めた。理由はさまざまあるが、一つに募集人の退職が相次いでいることが挙げられる。

 FPPは毎度の決算会見で募集人の採用人数が増えていることを強調するが、退職者の数も相当な数に上る。採用人数のおおよそ半数が同社を去っているのが実態だ。

 次ページでは、FPPを辞めた募集人たちに、給料や待遇について赤裸々に語ってもらった。なお、FPPの真骨頂といえるリーズ(保険の見込み客)の提供や推奨保険会社については、本特集#25『「保険の見込み客」に翻弄されるFPパートナーの募集人たち、同社に群がる生保の実態【ヤメFPパートナー覆面座談会(下)】』でお届けする。

――FPパートナーを退職された理由は何だったのでしょうか。