生保・損保・代理店の正念場#22Photo:metamorworks/gettyimages

大手生命保険会社の現役営業職員は、現在の働く環境をどう感じているのか。特集『生保・損保・代理店の正念場』(全31回)の#22では大手生保の営業職員4人に集まってもらい、給与や評価制度の内情、各社が強化するコンプライアンス対策、さらに営業職員を管理する立場にある総合職の働きぶりまで、本音で語り合ってもらった。(取材・執筆/保険ジャーナリスト 森田直子)

コロナ禍からの回復は?
現役営業職員による覆面座談会

――コロナ禍を経て、営業現場にどのような変化がありましたか。生命保険各社は依然としてコロナ前の営業成績には戻っていません。

田中氏 変化はあまり感じていません。コロナ禍の間は、確かに一部のお客さまは収入減の影響で保険の減額や解約がありました。でもコロナに罹患すると入院給付金が出ることが話題になったときに契約を増やすお客さまもいたので、トータルで変わっていないです。

山内氏 私も同感です。

井上氏 私はコロナ禍の影響をもろに受けています。特に医療機関へ営業に行けなくなったのは痛いです。今は地域営業を中心に、一時払い商品など運用系の商品を販売して、何とか営業成績を維持しています。

――NISAが話題ですが、保険を解約してNISAに乗り換える人などはいますか?

井上氏 います!加入して数年の個人年金保険を解約してNISAに資金を振り向けるお客さまがいました。年金には保険料控除があるのにもったいない。何も考えずにとにかくNISAに投資する風潮があり、危険な気がします。NISAにはリスクもありますので。

保障性商品の売れ行き、給与&評価、職場で勃発した大量退職、日に日に厳しくなるコンプライアンス対策、生保の総合職社員に対する思い……、全て本音で議論!次ページで生の声をお届けします。