富司純子や中村玉緒など
女優として活躍するOG
京都市の東山沿いにある。幼稚園から大学院まで擁する女子教育の総合学園だ。戦前から「京女」という略称で、京都市民だけでなく関西一円から親しまれてきた。
著名な女優が、巣立っている。
『緋牡丹のお竜』として一世を風靡(ふうび)した女優、司会者の富司純子(ふじ・すみこ)が、OGだ。「藤純子」の芸名で昭和の世に任侠映画で一時代を築き、東映の看板女優になった。引退後は「寺島純子」の芸名でテレビのワイドショーで司会役をこなし、平成時代に入ってからは「富司純子」の芸名で「白紙の新人女優としてスタートした」という。
1945年の終戦後に生まれた。父が東映のプロデューサーだったことから四条畷学園高校(大阪府大東市)2年生の時に、京都女子高校に転校してきた。1968年に『緋牡丹博徒』の主役に抜てきされ、一気に人気女優の座を駆け上がっていった。
夫は、2021年に文化勲章を受章した七代目尾上菊五郎(森村学園高等部卒)、長女は女優の寺島しのぶ(青山学院高等部卒)だ。
富司より6期先輩には女優、タレントの中村玉緒が、卒業している。父は歌舞伎俳優の二代目中村鴈治郎で、京都市内で育った。夫は俳優の勝新太郎(1997年死去)だった。
1970年代にはテレビドラマの脇役として活躍、けなげな母親役として定評があった。90年代から、バラエティー番組の司会役や映画、テレビドラマなどの主演もこなすようになり、人気が急上昇した。
芸達者で知られる女優の藤山直美は、富司より13期あとに京都女子高校を卒業している。父は喜劇役者の藤山寛美だ。
映画では2000年公開の『顔』で、テレビドラマでは06年下半期放送のNHK朝の連続テレビ小説『芋たこなんきん』で主役を演じ、激賞された。
シンガーソングライターの
白井貴子も卒業生
女優、歌手の高田美和は、京都女子高校から日本大学鶴ヶ丘高校に転校し、卒業した。父は、往年の時代劇スター・高田浩吉だった。
女優の海老瀬はなは、2005年に松竹が行った女優発掘オーディションで、1万3000人の中からグランプリを受賞した。以降、テレビドラマで活躍している。
森万紀は、兵庫県立ピッコロ劇団所属の舞台女優だ。女優の夏野陽子もいる。元女優の和田幾子(いくこ)は、時代劇によく出演していた。
海咲圭(みさき・けい)は、宝塚歌劇団に2019年に入団(105期生)した女優だ。
宝塚歌劇団に所属した女優では京都女子高校を中退した者もいるが、過去を振り返ると、桂美知代(50期生)、早瀬わたる、黛れいな、舞花京、朝桐柴乃、大澄れい(92期生)らを挙げることができる。