奇抜な髪型やファッションセンスが注目されてタレントとしても活躍した作家、志茂田景樹氏は現在、要介護4の車いす生活を送っている。関節リウマチ、気管支拡張症、車いす生活……年齢を重ね、さまざまなハンデを抱えながらも前を向いて生きる志茂田氏は、どのように病を受け入れたのか。本稿は、志茂田景樹『生きる力 83歳車いすからのメッセージ』(エムディエヌコーポレーション)の一部を抜粋・編集したものです。
79歳で始まった車いす生活
悪い節目を迎え、肺炎にも
人生には節目がある。
良い節目もあれば、悪い節目もある。
2019年春、79歳の僕は、とても大きなそして悪い節目を迎えました。その年に僕は、車いす生活を余儀なくされたのです。
介護サービスを受けるようになり、その年の秋には、間質性肺炎にも罹患しました。
これは後にCTスキャン検査の結果、それは、17歳時に診断された気管支拡張症を風邪で増悪させたもので、関節リウマチも関与していたようです。気管支拡張症と間質性肺炎は、各種の数値などの結果も含めて症状がよく似ているんですね。
ところで、気管支拡張症は中高年の人が罹る病気で気管支が炎症を起こし拡張し、そこに痰が溜まる病気で、いったん拡張したら治ることはありません。次第に進行していきます。
17歳のときに気管支拡張症と診断されて、医師から、
「これは老人が罹る病気なんだよ。薬は出すけれど治らないからね。無理はしないことだよ。激しく体を動かしちゃダメだよ」
と、言われてガックリきました。
医師はサルファ剤を処方してくれました。消炎効果が高いので痰の量も減るということでしたが、一向に痰は減りません。それで、僕は新宿紀伊國屋書店の医学書コーナーに日参し医学書をパラパラ立ち読みして、信頼がおけそうな東大病院の内科にかかりました。
しかし、結果は同じで処方して貰った薬はやはりサルファ剤でした。
ただ、東大病院では、それまでの僕の病歴を詳しく聞いてくれました。
僕は小中高を通じ、学校のレントゲン検診では必ず精密検査に呼び出されました。
小学3年時に肺炎の既往症があるのですが、それには関係なく、肋膜炎、気管支ぜんそく、肺浸潤など、そのときの検診によって様々な疑いを持たれました。でも、本元の僕はいつも元気にしていたので、いつも要観察ですまされました。
つまり、次の検診まではそのままでいいということです。
「小学校のときから、あるいはもっと前から気管支拡張症だったのかもしれないな。つまり、持って生まれたものだということ。年を取って罹る人より良性ということだろうね」