停滞日本が“普通”の経済に戻る「3つの上げ」、失われた30年から脱却する2つの鍵Photo:PIXTA

「値上げ」「賃上げ」「利上げ」で
「普通の経済」への動きようやく始まる

 33年ぶりの高さとなった春闘賃上げ率、日経平均株価の34年ぶりのバブル期最高値の更新、17年ぶり利上げなど、日本経済の節目を感じさせる動きが起きている。

 こうした「変化」のうち、日本がバブル崩壊後の「失われた30年」から「普通の経済」に変わる可能性を象徴するものとして、「3つの上げ」が挙げられる。「値上げ」「賃上げ」「利上げ」だ。

 実際、「失われた30年」で日本経済が象徴的に失っていたものはこの「3つの上げ」だ。

 しかし、2022年に値上げ、23年に賃上げ、そして24年には利上げという動きが始まった(図表1)。

 これら「3つの上げ」が定着すれば、晴れて日本も「普通の経済」になれる。ただし、今はその足掛かりを得た段階に過ぎない。

「3つの上げ」の定着はむしろこれから問われる。