世間的には「超エリート」のイメージがある東大生。一方で、最近「東大卒の幸福度」の低さが話題になりました。本記事では、小倉優子さんへの受験サポートで注目を集め、近著『「思考」が整う東大ノート。』も話題の西岡壱誠さんに「東大合格が人生のピークになってしまう人の特徴」を聞いてみました。
「伸び悩む東大生」はどんな人?
西岡 大学入学まであまり苦労してこなかった人には、その傾向があると思います。大変な思いをしてきたか、そうではないかという点は大事だと思います。
世間では、「現役で東大に合格した人」のほうが、「浪人して東大に合格した人」よりも優秀だというイメージがあると思いますが、私の実感としてはそんなことはないですね。
浪人している人には、最低でも一度は強く否定された経験があり、そこから這い上がって合格を勝ち取っているので、ある種の強さがあると思います。
あとは、勉強以外の何かを頑張っていた人も強いと思います。
東大生は基本的にみんな勉強は頑張ってきています。ただ、それだけではなく、部活など勉強以外も頑張ったうえで東大に来ている人もいて、その場合はたいてい、ガリ勉タイプよりもいろいろな経験や苦労をしてきているわけです。
苦労してきた人っていうのは、他人の苦労がわかるし、自分を変えることができるんですよね。
なので、浪人経験者や学業以外も頑張ってきた人は、何事も最初はうまくいかなくても、どんどん修正していくことができるんですよ。
「あ~そういうもんなんだ。じゃ、ちょっと改善します」といった感じで、できなかったことがあったときにそこで立ち止まってしまわずに、改善していきます。
社会に出てからは、これができる人のほうが活躍できるでしょう。
一方、私の知人には、2年生で司法試験の予備試験に落ちて鬱になってしまった人がいます。理由を聞いたら、「試験と呼ばれるものに人生で1回も落ちたことがなかったから」と言っていました。
このように、入学後の一度の挫折経験で「自分の人生に価値はない」とまで思い悩んでしまう人もいるのです。
「東大卒の幸福度が低い」という話が最近話題になりましたが、大学入学までが順調すぎるとそういう風になりがちなのかもしれないですね。