元消防士が株式投資で築いた資産は、なんと8億円! 三重県在住の専業投資家・かんち。49歳で早期退職してからというもの、生活費のすべてを株の配当金でまかなっている。その配当金の総額は、なんと年間2000万円超え。高配当株と株主優待株を組み合わせた「買ったらほとんど売らない」という手間のかからない“ほったらかし投資術”は、初心者の新NISAにも参考になる。「その投資術を知りたい!」と、長年著作の刊行を期待されていたものの、すべて断ってきた投資歴40年のベテランが、初めて著した話題の書『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。
資産8億円の個人投資家
金額ベースの投資割合
投資手法については、基本的な姿勢は変わりませんが、ここ数年は高配当株に注力するようになりました。
割合でいうと、「高配当株5:優待株3:成長株2」(金額ベース)のイメージです。
銘柄数でいうと、600銘柄以上を保有する“超”分散投資型です。
ここまでの分散投資は、狙ってやったというよりも、資金に余裕が出るたびに株主優待がもらえる最低単元だけを購入し、優待株を増やした結果です。
600銘柄以上の
関連封書が届く
なお、企業からは毎年配当金のお知らせや議決権行使書が届きますが、600銘柄以上の封書すべてに目を通すのは、なかなか骨の折れる作業です。
それでもしっかりすべての封書に目を通し、議決権の行使を求められる場合には、すべて返送するようにしています。
とくに6月と12月には、多くの封書が届きますから、けっこう大変です。封書はポストにも入りきらず、いつも郵便局員さんが袋に入れてインターホンを鳴らして届けてくれます。
その書類の整理には、かなり時間がかかります。
ハイリスクでもなければ
頻繁な売買もない手法
さて、私は自宅こそ祖父母から継ぎましたが、とくに高給とりだったわけではありませんし、株式投資で財をなしたといっても、リスクの高い手法はとっていません。
頻繁な売買もしていません。世の中には毎日株を売り買いして資産を増やしている人もいますが、そんなことができるのはごく限られた一部の人だけです。
会社勤めをしている一般の個人投資家が、そんな人たちを真似したところで、まずうまくいかないでしょうね。
投資家の心理が
複雑に絡み合う
株価が動くのは、企業の業績そのものではなく、投資家の心理が複雑に絡み合うからです。
短期間で儲けるためには、必然的に海千山千の投資家たちと勝負しなければならなくなります。
そのなかにはプロもいれば、最近では機関投資家によるAI(人工知能)の売買も加わっています。素人が勝つのは、まず無理ですよ。
個人投資家が投資のプロと
勝負する必要はない
私が好きな車の世界でいうと、免許をとりたてのペーパードライバーが、サーキットでプロレーサーと勝負するのと同じようなものです。
またデイトレーダーとして名を馳せているような人たちの投資手法は、ある程度のところまでは言葉で説明できても、最後に「ここで買いだ!」「ここで売りだ!」と決断する部分には、感覚的なものが含まれています。
そして、それがいちばん重要だったりするのです。
人間の欲には際限がない
真似しようとする素人は、その感覚的なところが理解できません。その感覚は、もともとの天才肌か、長い時間をかけて失敗と成功を繰り返しながら身につけていくしかないでしょう。
たとえ9割理解できたとしても、1割が理解できていないのであれば、おそらく失敗します。
長年投資の世界にいると、「人間の欲は際限がないんだなぁ」と思うこともあります。成功を急ぐと、そのぶん失敗するリスクも高まる。
それでも多くの人は、ほんのひと握りの成功を夢見て挑戦をやめません。
※本稿は、『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。