元消防士が株式投資で築いた資産は、なんと8億円! 三重県在住の専業投資家・かんち。49歳で早期退職してからというもの、生活費のすべてを株の配当金でまかなっている。その配当金の総額は、なんと年間2000万円超え。高配当株と株主優待株を組み合わせた「買ったらほとんど売らない」という手間のかからない“ほったらかし投資術”は、初心者の新NISAにも参考になる。「その投資術を知りたい!」と、長年著作の刊行を期待されていたものの、すべて断ってきた投資歴40年のベテランが、初めて著した話題の書『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。

【資産8億円の元消防士が明かす】株で儲ける人だけが知っている「暴落したときの正しい行動」ベスト1Photo: Adobe Stock

資産を大きく増やす
きっかけとなった株

私が大きく資産を増やすきっかけとなったのは、みずほフィナンシャルグループ(8411)株でした。

バブル崩壊後の1990年代、多くの銀行が多額の不良債権を抱えていました。

そこで2000年9月に第一勧業銀行・富士銀行・日本興業銀行が合併し、世界最大にして世界初(当時)の総資産1兆ドルの金融グループ、みずほホールディングスが誕生しました。

営業初日から
システム障害が発生

発足当初こそ強気の株価でしたが、2002年4月にみずほ銀行とみずほコーポレート銀行が発足すると、多くの問題が発生してしまいました。

営業初日からシステム障害が発生し、口座振替が遅延。金融庁から業務改善命令が出される事態となったのです。

システム障害により社会的なイメージが悪化しただけでなく、不良債権問題が明らかになるにつれ、経営状態も悪化。2003年には2兆3700億円もの巨額赤字を計上し、株価は連日安値を更新してしまいました。

額面割れ寸前にまで
値下がりしたみずほ株

2003年には、みずほフィナンシャルグループが設立されてみずほホールディングスの親会社となったものの、その株価は同年4月、額面割れ寸前にまで下がりました。

みずほフィナンシャルグループの株価は、ピーク時の20分の1、1株5万8000円台まで下がったのです(当時、この株は1株単位でした)。

ただし、いくらみずほの経営に問題があるにしろ、日本を代表する金融機関としては、株価が下がりすぎだと思いました。

暴落したときは
売り時ではなく買い時

私はいつか株価が戻ると確信し、底値から少しリバウンドしたところで買い集めたのです。

もともと私は分散投資をモットーとしていますが、このときだけは集中投資といっていいくらいみずほ株に注力し、ポートフォリオ(資産構成)の半数ほどを占めました。

要するに、暴落したときは、売り時ではなく買い時なのです。暴落でいちいち損切りしていたら、まともに資産形成などできません。

株式投資のアンチテーゼ

保有している株の含み損は見ないことにして、さらに株を買うのが正しい行動です。

日ごろの生活でも、価格が安くなるバーゲン時に買いますよね。それなのに、株がバーゲン価格になったら売ってしまうのは、そもそもおかしいと思いませんか?

仮にしばらく株価が戻らなくても、2003年こそ無配に陥ったものの、翌年からはそこそこの配当金がつくようになったので、しばらく保有しているつもりでしたが、目論見通りに株価は上がっていきました。

みずほ株への集中投資で
資産3億円突破!

保有株式数は変わらなくても、株価が上昇して評価額が膨らんだことで、一時は私の全資産額の6~7割をみずほフィナンシャルグループ株が占めるまでになったのです。

結局、同社の株は2006年4月19日に上場来高値(103万円)を更新。

そのときも耐え切れず、天井より前で売ってしまいましたが、おかげで資産は3億円突破と急拡大しました。

※本稿は、『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。