最大のリスクは「生成AIの世界観」を知らないこと
澤:昨日、森永康平さんと対談したんですけど、すごく楽しかったんですよね。森永さんは森永卓郎さんの息子さんで、「経済」という観点で二極化の話をされています。
尾原:はいはい。
澤:森永さんは、日本の経済は「肉食系」と「草食系」に分かれると言っていて。
肉食系は「どんどん稼ぐぞ」「お金を増やしていくぞ」 「お金と積極的に絡んでいくぞ」という人で、草食系は「まあこれくらいでいいかな」と思う人です。
これは価値観なので、どちらがいいというわけではありません。「そういうふうに分かれていきますよね」と、客観的事実としてお話しされていました。
おそらく、生成AIに関しても同じようなことが言えると思いますが、ちょっとおっかないのは、「気づいた時に『なくてもいいや』が通用しない世界が待っている可能性がある」ことです。
お金は「これくらいあったら生活できる」と言って、ある程度は算段がつけられるじゃないですか。一方で、生成AIは抽象度が高い概念的なものです。それにプラスして、めちゃくちゃ具体的なサービスが存在している。
一番のリスクは、生成AIを使いこなせないことではなくて、それが起きる世界観を知らないことだと思うんですよね。ふと気づくと、草食系ですら居場所がまったくない状態になり兼ねない。この資本主義社会の中で、何かしらの生産活動に寄与する観点でいえばの話ですが。
だから、本当に多くの人に、「知らないことのリスク」だけでもいいから知ってほしいなと思いますね。
伊藤:そうですね。