「かもしれない」を恐れるのは危険
澤:先ほど言ったように、「かもしれない」を極端に恐れることによって治安の維持がプラスに働くのかもしれません。だけど、今はそんな悠長なことを言っていられない状態になってきていますからね。
尾原:そうなんですよね。AIによって、翻訳が簡単にできるようになっています。今までは、「日本語の壁」によっていろいろなものが守られてきたけど、AI同時通訳が動き出すと、「壁」を持たない海外の人たちが日本に踊り込んでくる可能性があるわけですよね。
今度は「円安の壁」のおかげで、「日本で稼いでもしょうがない」と言って守られるかもしれない。でも、1人あたりのGDPが日本より少ない国からすると、それはチャンスになります。
AIという成長エンジンと同時翻訳エンジンを得て、「日本で仕事をするんだ」という人たちが、リモートでもリアルでもどんどん来る可能性がありますからね。
伊藤:ほんとそうだね。僕と尾原さんは、この本で「ラクをするから成果が出る! だから、どんどんアウトプットしてやっていこう」「ゲームチェンジに気づいていない人も、そんな感じでやっていったらどんどん楽しくなるよ」と言っています。
みんなをエンカレッジ(encourage)しようと思っていたんだけど、よくよく考えてみると、それで二極化がどんどん進んでいって、結果が出ないのはその人たちですよね。だから、ものすごく突き放すようだけど、自業自得だわ。
澤:(笑)。
伊藤:何を言いたいかというと、そこらへんの痛みを感じれば、お尻に火がつくじゃないですか。「日本が大変だよ。海外からいろいろ来るよ。このままだと会社もダメになるよ」と思うだろうけど、ダメになっていないからそうしない。
怖いけど、お尻に火がついた状態になっていったほうがいいかもしれないね。それで変わるかどうかはわからないですけどね。