何かを禁止することは法律に任せる
澤:今はかなり減っていると思いたいんですけど、AIをとにかく禁止している会社の多さに、すごくびっくりしたんですよね。
尾原:そうですね。日本はそういう会社が群を抜いて多いし、いろいろな統計を見ても、ChatGPTを使っている会社は、いまだに3~4割なんですよね。
年初の調査だから、もっと上がっていると信じたいけど、今年の調査でもそういった会社がほとんどですよね。
澤:僕は「禁止する」という概念が不思議なんです。
伊藤:わからないですよね。
澤:「何かを禁止することは、法律に任せておけばいいんじゃないの?」って、常に思うんですよね。
法律で禁止されていることは、わざわざ会社が言うまでもない話です。法律に任せておいて、「それ以外のことは何をやってもいいよ」のほうが、絶対にいいことが起きるわけですよね。
もちろん、「公序良俗に反しない」とかはあるかもしれないけど。
尾原:そうですよね。少なくとも「著作権を侵害しない」ことは、国がルールで決めてくれています。だから、生成AIの使い方として、著作権を侵害するところを使わないのは当たり前です。それを全面禁止にするのはどうなのかという話ですよね。
澤:たいていの場合、「情報漏洩が」と言うんですけど、そういう人たちに言いたいのは、「あなたは情報セキュリティに関してどのくらい勉強されましたか?」「一番最初に漏れるのは紙ですよ」ということです。紙をそのへんに置いておくと、それがきっかけになって、いろんなものが漏れていきますからね。
尾原:そうなんですよね。
伊藤:本当に「セキュリティが」とは思っていないんでしょうね。むしろ、「思考停止してください」といった感覚なのかなと思いました。