多くの人が、腕立て伏せの最大回数を自慢の種にしているのを耳にしませんか? ですが、たとえ彼らが50回、75回、100回という連続レップ数を記録して自慢していたとしても、それだけをもって彼らを「強い」と決めつけるのは早計です。多くの場合、その大きな数字の裏にはフォームが適切か否かを検証する必要があるからです。
「多くの人が『腕立て伏せは何回もできる』と思っていますが、そんな人は十中八九、手を抜いているだけです」と、メンズ・ヘルスのフィットネス・ディレクター、エベネザー・サミュエル(C.S.C.S.)は断言します。
腕立て伏せをするとき、その場では強くなったように感じるかもしれませんが、大体は質の高い動きを捨て、腕立て伏せの真の筋肉増強と筋力トレーニング効果を短絡的にしていると考えられます。ここではサミュエルが、レップ数を伸ばそうとするときに人々が使う3つの腕立て伏せのズル(間違い)について、そして腕立て伏せのやり方について説明します。
間違い【1】:レップを正しく終えていない
よくジムで、腕立て伏せをできるだけ速く繰り返している人を見かけます。よく見ると、彼らはレップの約75%しかこなしておらず、肘を完全にロックアウトする(伸び切る)寸前で止まっていることも少なくありません。
こうすることで、全てのレップにおいてテンションがかかる時間が短くなり、レップは楽になるでしょう。また、レップを短くすると、上腕三頭筋(肘をロックアウトする動作に特に関与しています)の働きの多くが省略されるのです。