キャッシュフローを生む資産とは、具体的には高配当株や債券、RIET〈リート〉(不動産投資信託)など定期的にある程度の配当金や分配金などを得られる資産のこと。これらを基本的には一生涯保有を続けます。そうすることで、定期的に年金プラスアルファの収入を得ることができます。

 これらのお金を確保したうえで、残りの資産を取り崩していきます。

資産寿命を延ばしつつ、100歳でゼロを目指す出口戦略

 資産は、ただ取り崩すだけでは早々になくなってしまいます。

 資産が早々にゼロになる「資産寿命」を迎えてしまうのは困りものです。それを防ぐために、「運用しながら取り崩す」という観点を取り入れましょう。

 資産を運用しながら少しずつ取り崩すことで、資産寿命を延ばすことができますし、売るタイミングも分散できるので、資産価値が下がったタイミングで一度に売ってしまうことも防げます。

 資産を取り崩しながら一定の利回りで運用した場合に、毎年いくら受け取れるかを計算する「資本回収係数」という数字があります(図表1)。

 なお、以降の計算は運用益に税金がかからない「新NISA」で行った場合とします。表の縦の列には資産の取り崩し年数、横の行には運用利回りをとっています。自分の資産額に、この両者の交差するところの係数をかけると、毎年取り崩せる金額がわかります。

 たとえば、70歳時点でたまった資産2000万円のうち、300万円を預貯金、500万円をキャッシュフローを生む資産に替えたとします。そうして残った1200万円の資産を年利4%で運用しながら、30年かけて取り崩すとします。