ボケ予防という面からいえば、ハラハラ、ドキドキが連続するミステリーやサスペンス、ホラーなどがとくにおすすめだ。

 本を読んで感情が揺さぶられるときには、不安や恐怖、怒りといったネガティブな感情に関連する脳の扁桃体に血液が集まってくる。この扁桃体のすぐ隣にあるのが、記憶をつかさどる海馬。扁桃体の変化は隣の海馬にも伝わりやすく、やはり血流が良くなって活性化することが期待できるのだ。

 読書といえば、近年、パソコンやタブレットなどで電子書籍を読む人も増えてきた。

 保管しておく必要がないので、ものを増やしたくない人にはとても便利だが、脳への刺激の多彩さという点では紙の本に軍配が上がる。

 手に持ったときの重さ、紙独特の微妙な手触りや質感、色合いの違い、本を開いたときに漂ってくるほのかなにおい、本棚に並べたときに得られる満足感。紙の本には電子書籍にはないさまざまな情報があり、それらすべてが脳を刺激する。できれば、紙の本を読むのがいいだろう。

思い出がよみがえって幸せな気分に
カラオケには脳の若返り効果あり!

 ボケの予防に加えて、健康寿命を伸ばす効果も大。カラオケが大好きな人は、人生を長く楽しめる可能性が高い。

 認知症の症状を改善させる方法として、「音楽療法」というものがある。音楽を使って、脳に好ましい刺激を与えたり、血圧に良い影響を及ぼしたり、痛みをやわらげたりする方法だ。

 音楽療法については、さまざまな研究が行われている。一例をあげると、三重大学の研究では、音楽に合わせて体を動かしたあとには認知機能検査の結果が改善すると報告されている。

 音楽を楽しむため、最も手軽に行えるのがカラオケだ。口を大きく開けて、表情筋を動かすことによって、脳が刺激を受けて活性化される。楽しさを感じることから、「幸せホルモン」のセロトニンが分泌され、脳内で働いて日ごろのストレスが発散される効果も大きい。