投票結果で定数が決まる
「定数自動決定式選挙制度」の提唱

 これまでみてきたように、国政選挙における定数不均衡は民意代表性の歪みを生じさせ、国民の代表による国会での議論にも歪みを生じさせ、それが政策上のバイアスとなって各選挙区にもたらされることにもなりかねない。こうしたことから、定数不均衡の是正が喫緊の課題であることは言うまでもない。しかし、小選挙区制の下で定数是正を行うためには選挙区の区割りを変更するしか方法がなく、当該小選挙区だけでなく周辺の小選挙区にも多大な影響を与えるために、多くの政治家の強い反発を招き、定数不均衡が改まらないでいる。これでは、将来にわたり生じる新たな定数不均衡に対応することは不可能と言えよう。

 そこで、日本の代議制民主主義が定数不均衡によって歪められることがないように、各選挙区の定数が投票の結果によって自動的に決まる「定数自動決定式選挙制度」を提唱することにしたい。この方式は、様々な単位の選挙区に適用することができる。具体的には、選挙は次のようにして行われることになる。

ⅰ、新しい選挙区は、都道府県(ただし、地域の広い北海道や、人口の多い東京都などは分割)、もしくは衆議院で用いられてきた中選挙区など、人為的な恣意性が新たに入らないものを用いる。

ⅱ、各政党は、選挙区毎に順位を定めずに名簿を作成する。

ⅲ、有権者はこの名簿の中から候補者を選んで個人名を書いて投票するか、あるいは政党名だけを書いて投票する。

ⅳ、選挙後、各選挙区における各候補者、あるいは各政党の投票を、政党別に全国で集計する。

ⅴ、全国で集計された得票にしたがって、ドント式により各党に議席を配分する。

ⅵ、各党に配分された議席を、さらに各党の各選挙区における得票に応じて、最大剰余式により各選挙区に配分する。つまり、下記の通りになる。

                     各党各選挙区得票数
  各党各選挙区議席数=各党全国議席数 X ―――――――――
                      各党全国得票数

ⅶ、各党の各選挙区に配分された議席を、その選挙区におけるその党の候補者の得票の多い順に与える。