今後のキャリアのために、自分の「強み」を伸ばしたいと考える人は少なくないだろう。もちろん、強みそのものを伸ばすことも大切だが、実は「強みを活かす」上で多くの人が見逃しがちな視点がある。※本稿は、石倉秀明『CAREER FIT 仕事のモヤモヤが晴れる適職の思考法』(宝島社)の一部を抜粋・編集したものです。
「強み」とは、あくまでも相対的なもの
「強み」とは、基本的に相対的な価値で決まるものです。
例えば、どんなに野球がうまいという人でも、イチローと比べられてしまったら、それは「強み」にならないでしょう。「野球がうまい」という「強み」は、もはや「強み」とはいえなくなります。しかし、その人が町内で集まっている草野球チームに入ったらどうでしょうか。たちまちにそれは「野球がうまい」という強みとして輝くのではないでしょうか。
このように、「強み」とは、各人にとって動かし難い絶対的な評価ではなく、あくまでも相対的なものに過ぎません。にもかかわらず、「強み」というと、何かその人の「本質」を表すような、難しい話にしてしまいがちです。
誰もがイチローの野球センスや技術、才能のような、ずば抜けた「強み」を手にする必要はありません。草野球で活躍できるくらいの野球のうまさでも、それは強みを発揮する場所を変えれば十分意味を持ちます。
つまり、「場所」が重要なのです。