「生きるのが面倒くさい人」に向いている仕事は?職場でどのようにふるまえばいい?写真はイメージです Photo:PIXTA

「生きるのが面倒くさい人」に向いている仕事を一挙紹介!なぜ「生きるのが面倒くさい人」に向いているのか、それぞれの職場でどのように振舞えばいいのか、精神科医で作家の岡田尊司さんの著書『生きるのが面倒くさい人』(朝日新書)から一部を抜粋・改編して具体的に解説する。

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回避性の人にとっての適職とは

 回避性(人の世の煩わしさから逃れたいという願望をもち、現実の課題を避けようとする傾向)の人にあった仕事としては、毎日決まった場所で、毎日決まったルーチンワークをこなすことが基本になっているものが良いだろう。強すぎる刺激や感情的なやり取りがからむものは、避けた方が無難だ。争いごとの解決や対人折衝が中心を占めるものも、回避性の人にはストレスが大き過ぎる。競争やノルマに負われる仕事も、あまり向いていない。素早い判断や迅速な行動を求められる職種も、電話一本かけるのにもためらってしまうこのタイプの人には適していない。自分に分担された仕事に、じっくりと取り組めるようなものが良い。

 このタイプの人に適した代表的な職種を挙げてみよう。

(1)専門資格職
 法律系では、弁護士より、文書作成や手続きが中心の司法書士や行政書士、土地家屋調査士、社会保険労務士などが良いだろう。税理士や宅地建物取引士は、顧客との交渉力が求められ、回避性の人にはあまり向かない。

 医師は、専門領域によってストレスがかなり違う。回避性の人は、皮膚科や眼科といった、あまり生死にかかわらない領域が向いているだろう。薬剤師も、仕事自体は適していると言えるが、女性が多い職場なので、ある程度の対人関係能力が求められる。理学療法士も、マイペースでできる部分が大きく、向いている仕事だと言える。臨床検査技師、言語聴覚士や眼鏡士のような医療系の資格も、スピーディな判断・対応というよりも、手順をきっちりこなすことが求められ、また、人間関係がシンプルな職場が多いことから、向いていると言えるだろう。

(2)公務員
 一昔前までは、公務員は、回避性の人にとっては、一番安全なシェルターだと言えた。ただ、近年は、殺人的な忙しさが慢性化しているところもある。