その点、比較的まだ緩いのが、専門職として採用された公務員である。3、4年で異動する一般職よりも、同じ環境でじっくり仕事することもできるので、環境の変化がストレスになる回避性の人には、適していると言えるだろう。公務員の場合には、公的な福祉の向上という目的のために、職務を行うスタンスなので、金儲けや競争といったことが総じて苦手な回避性の人には、向いている面がある。
(3)事務職(経理、総務、法務、物品管理、施設管理)
一口に事務職と言っても、働き方はさまざまだ。電話応対や接客が多い受付事務のような業務は、回避性の人には向かない。事務職として働く以上、電話応対や接客は、避けられないが、その割合が比較的小さく、事務処理に、多くの時間とエネルギーを集中できるものが適している。
その意味で、毎月同じ業務が繰り返される、経理事務や施設管理の仕事が向いているだろう。ことに経理事務は、ある程度経験を積むと、つぶしがきく。人間関係で働きにくくなった場合も、転職しやすいという意味で、おすすめの職種と言える。実際、回避性の人も多く働いていて、うまくいっているケースが多い。
(4)技術職(技能職、職工、職人、現場技術者)
技術職も、このタイプの人には適職であることが多い。おしゃべりをして社交を楽しむよりも、黙々と仕事に取り組む方が、上からは評価される。回避性の人は、派手さはないが、無理なことさえ言わなければ、地道に取り組み続ける傾向があるからだ。
したがって、このタイプの人は、無理をして社交的にふるまったり、同僚と親しい口を利いたりする必要はなく、自分のスタイルで控えめに接し、仕事を着実にこなすことに集中した方が良い。
技術職の場合は、その技術に対して給料が支払われているので、社交下手だろうが、技術の面でしっかりしていれば、問題はない。孤立しない程度に歩調を合わせる必要はあるが、同僚との付き合いは、あっさりで十分だ。そんなことより、せっせと自分の技術を磨くことに、注力すべきだろう。