空飛ぶクルマに暗雲、メタンガス爆発事故、遅れる工期…大阪万博でトラブルが止まらない「ある意味当然」の理由Photo:SANKEI

2025年開催の大阪・関西万博でお披露目される予定だった「空飛ぶクルマ」の運行事業者が、当初予定していた万博での商用飛行を断念した。予想外の問題が続く大阪万博。ただ、歴史をひも解くと、こうした展開はある意味、予想通りだったことが分かる。(やさしいビジネススクール学長 中川功一)

空飛ぶクルマの雲行きも怪しい?
うまくいかない大阪万博

 6月14日、大阪・関西万博の目玉の一つとされていた「空飛ぶクルマ」の開発を手掛ける事業者1社が、万博での商用飛行を断念すると発表した。万博ではデモ飛行を見せるだけにとどめ、デモ飛行中も来場客を乗せないこととしたのである。

 正直なところ、特段、皆さんも驚きはなかったのではないだろうか。まあ、いずれそういう報道が出るだろうなと思っていた人が多いと思う。

 万博をめぐっては、おそらく関係者も含めて国内の大半が「あきらめ」の境地に入っているはずだ。メタンガス爆発事故、相次ぐ参加国の撤退、遅れ続ける工期――集客はおろか、国民の応援すら得られていない。それでもなお撤退できないのだから、我が国の病巣は大変に根深い。

 が、それはともかく。本日のテーマは、「なぜ大阪万博はここまでうまくことが進まないのか?」だ。

 その科学的な答えはあまりにも単純で、そして悲しい。