自然のすぐそばに温泉旅館がある
安全に遊べるのも日本の長所

 日本の地方の魅力は、何と言っても自然だ。オーストラリア人の友人はラフティング(川下り)が趣味で、GoProで撮影した動画を見せてくれるのだが、彼によれば日本の急流はかなり良好なスポットらしい。海外からの旅行者はスキーやハイキングなど、アウトドアで体を動かす遊びを好む傾向があるから、日本はうってつけの旅行先だ。

 美しい自然ならば他の国にもあるが、日本ならではの長所がある。まずは、安全性だ。水上バイクやスノーモービルなどの機械を使う遊びは、時には事故の危険もあるが、日本ならばきちんとメンテナンスされているから、他国でやるより安心感がある。

 そして、なんと言っても、自然のすぐそばに温泉旅館などがあって文化的にも楽しめる。今、私の周りで日本に来る外国人の多くは、大自然でのアドベンチャーと、文化的なものの両方を求めている。それらを同時に味わうには、東京や大阪のような大都市よりも地方のほうが適しているのだ。

 ところで、私が大好きな地方都市は、長野県松本市だ。歴史のある町で温泉旅館もあるし、自然の中でハイキングも楽しめる。そばなどの食べ物も美味しい。だが、それだけではない。松本はバイオリンの指導者として高名な鈴木鎮一氏ゆかりの地で、毎年、夏季学校が開かれ、「スズキ・メソード」を習っている子どもたちが世界中から集まるのだ。

 その時期には、街を歩いていると、至るところから子どもたちのバイオリンの音色が響いてくる。もちろん、初心者もいるから上手い下手はあるが、それも含めてかわいらしい。私の娘もバイオリンを習っていたので、練習に参加したこともある。街全体がにぎやかな音楽の場に変わって、なんとも魅力的なのだ。