富士山周辺、京都、全国津々浦々……
迷惑外国人が増えすぎていないか?
外国人観光客の迷惑トラブルが毎日のように報じられている。
富士山周辺では、ローソン越しの富士山が撮影できるスポットに観光客が殺到して危険だということで、苦肉の策で道路に黒い目隠し幕が設置された。京都では舞妓が「パパラッチ被害」に遭ったほか、八坂神社では参拝した外国人観光客が、鈴を乱暴に振り回して注意した人と口論になったという。
もちろん、こういうトラブルはかつて日本人観光客も欧州やハワイで山ほどやってきた。現地メディアから「バーバリアン」(野蛮人)などと問題視されたこともあるので「お互いさま」という側面もあるのだが、ここまで外国人観光客がハメを外すのは、別の要素もある。
それは「日本人をナメている」ということだ。
外国人観光客はガイドブッグやネット・SNSで、ある程度日本文化の予備知識を入れてくるのだが、その中で「おもてなし」という言葉とともに日本人は「チップをもらうわけでもないのに、とにかくゲストをもてなすのが大好きなサービス精神の塊のような人たち」とかなり盛った説明をしていることも多い。
つまり、外国人観光客がやりたい放題やっているのは、「日本人っておもてなしの精神があって、外国人観光客が好きで好きでたまらないから、ちょっとくらいハメを外しても怒らないでしょ?」とタカをくくっているところもあるのだ。
それがよくわかるのが、6月10日のニューヨークタイムズ「Japan Likes Tourists, Just Not This Many(日本は観光客が好き。これほど多すぎなければ)」という特集記事だ。
https://www.nytimes.com/2024/06/07/world/asia/japan-mount-fuji-kyoto-tourism.html
タイトルからして、「日本人=外国人観光客に優しい国」というイメージを読者に与えていることは言うまでもないが、さらに注目すべきは記事中では日本のことを「本来は心からゲストを気遣い“おもてなし”の精神を誇りにしている国」と説明していることだ。
ここまで言われたら、日本旅行を検討している外国人たちは思うだろう。「そっか、日本って国には、外国人ゲストのワガママを最大限許してくれる執事のような人たちがたくさんいるんだな」と。