銅は46%、ガリウムは98%「中国産」!脱炭素で需要増の鉱物資源価格に影落とす米中対立Photo:PIXTA

銅を含む非鉄金属である鉱物資源の価格が、急上昇している。石油に並んで鉱物資源は、私たちの経済活動を支える資源である。では、鉱物資源の価格は今後も上昇を続けるのだろうか。(マーケット・リスク・アドバイザリー共同代表 新村直弘)

一時的な調整はあっても
中長期的に価格上昇する鉱物資源

 今年4月以降、銅を含む非鉄金属の価格が急上昇している。銅は5月に一時、1トン当たり11104.50ドルまで上昇し過去最高値を上回った。急上昇の要因は、世界景気の回復を期待する投機筋の買いによるところが大きかったと考えられる。そのため、利益確定の動きによって価格は一時的に調整されることが予想される。

 ただし、鉱物資源の価格は中長期にみれば、上昇する公算が大きい。経済活動の血液ともいえる石油のように、鉱物資源は私たちの生活を支えるのに欠かせないからだ。そして、世界経済の動向を踏まえて需要と供給の両面から考察すると、需給がタイトになる可能性が高い。

 では、なぜ鉱物資源の需給がタイト化するのか。需要と供給の両面から細かく分析してみよう。