3.「今の自分を、次の自分へ。」私たちは、自らの能力やスキルを常に磨き続けることで、普段「あたりまえ」として設定している「仕事の水準」をワンランク上へと引き上げていきます。

多忙をきわめる医師たちに
自社サービスをどう伝えるか

 これだけ見ると、なんだ、当然のことばかりじゃないかと思われるかもしれません。しかし、「聴く力を、解く力へ。」は、いざ実践しようとするとかなり難しいのではないでしょうか?

 お互いの持っている背景知識が圧倒的に違う中で、かぎられた時間で相手の思いと課題を見極めるために十分な情報を集め、真の解決となる答えを見つけるということです。「個人の力を、組織の力へ。」も、お互いが異なる能力を持っていることを認め合い、お互いの常識をすり合わせる必要があります。

 私たちは以前、医療機関の診療時間外に内視鏡AIのプロトタイプと、病変を印刷した写真等を用いて技術を体験していただく「内視鏡AI体験」をしてもらおうと、医療機関でチラシを配布していました。その際に、医師たちから「AI体験とはいったい何をするのですか」という質問を多くいただきました。私たちのチラシでは、肝心なことが十分に伝えられていなかったのです。

 すぐ思いつく対策としては、AI体験の詳細を説明するウェブ面談のステップを入れることですが、これだと忙しい医療機関に追加の手間を取らせることになってしまいます。

 そこで担当者が思いついたのは、チラシではなく数分の説明動画を作成することでした。

 動画を撮影する際も、極力、医療機関の邪魔にならないように、事前の現地確認なしの一発本番で撮影する形にし、完成させました。

 これから国内のみならず、全世界に事業を展開していく当社においては「今の自分を、次の自分へ。」、つまり私を含めた各自が常にパワーアップすることももちろん必要ですし、逆にいうと、これら3つの行動指針であるバリューを日々行えば、「世界の患者を救う」というミッションは間違いなく達成できると確信しています。