米コンサル出身学生も感銘を受けた
日本企業のオペレーション

 ジャパン・トレックに参加する前、日本の公共交通システムを見るのを楽しみにしていたと言いましたが、実際に自分の目で見た日本の駅や道路は想像以上にすばらしかったです。

 でも、それ以上に日本の人々のホスピタリティーや日本の各地で体験した豊かな文化が印象に残りました。日本人の同級生たちだけではなく、120人超の学生たちの訪問を歓迎してくださった日本の人々に感謝の気持ちをお伝えしたいです。

ハーバード宮島では日本の伝統的文化を体験した(二列目右から4人目がコートニー・モンゴメリー氏)=2024年5月23日、広島県廿日市市 写真提供:ジャパン・トレック2024幹事団

 ハーバードに入学してからの1年間、必修授業では五つの日本関連の事例を学びました。「テクノロジー&オペレーションマネジメント」の授業では、日本食レストランチェーン「ベニハナ」、JR東日本テクノハートTESSEI(テッセイ)、トヨタ自動車の事例、そして「リーダーシップと組織行動」の授業では、楽天の事例について、議論しました。
※トヨタ自動車関連の事例は2つ

 楽天を除けば、日本の事例は、オペレーションと業務プロセスの最適化・効率化を主題としたものであることに気付きます。その中で、ベニハナとテッセイの事例では、特にその美しい業務プロセスと、そのプロセスが組織全体にもたらす力に魅せられました。

 ベニハナの事例では、店舗レイアウト(バーエリア・客席・キッチンの配置)やスタッフの店舗オペレーションを最適化することによって、高い利益率を実現している点が特に美しいと思いました。

 中でも感心したのが、バーエリアを人数調整のための待合所として利用するアイデアです。顧客には待っている間に利益率の高い飲み物を頼んでもらえますし、スタッフはシェフの空き状況を見ながら最適な人数を客席に案内できますから、まさに一石二鳥だと思いました。
※顧客の目の前の鉄板で調理しながらパフォーマンスを披露

 テッセイの事例を学んだ際には、新幹線の到着・出発時間に応じて、清掃チームが無駄なく配置されている点や、限られた時間内にスタッフが普通車、グリーン車、化粧室など、それぞれの持ち場で効率的に清掃作業をしている点に感銘を受けました。また、業務プロセスが最適化されているだけではなく、スタッフ同士の協力や連携によって高い生産性が実現されている点もすばらしいと思いました。